まさに「陽気なサイコパス」が起こした計画殺人だけど、何とも脚本と言うかストーリーが「駆け足」すぎてオチが見えにくくなってしまったのかな?
いわゆる大企業だが同族経営の化学会社の創業者の甥っ子ロジャー・スタンフォードJRは専務(大学で化学の学位、その後弁護士資格を取るほどの切れ者なんだが)の地位にありながら「道楽にふけって」社長である叔父バックナーから「お前なんかクビにしてやる!」と言わんばかりの反撃に遭い進退きわまるのが物語の始まりだ!
確か調べて見るとこの作品を撮影する時には急遽決まった脚本で、コロンボが制作側と「自ら監督を務める作品」のための駆け引きとして撮影されたが故に「作品のオチ」がイマイチになったらしいけど?
話に戻るがロジャーJRは両親(ロジャーSRと母親)が仕事中の爆発事故で急死して父親の妹・ドリス叔母夫婦に引き取られて成長したが、どうにもデビッド叔父(現社長)とはどうにも馬が合わない!(JRにとってはPTSD級のトラウマ?)
まあ妻ドリスからは株式さえもらえない「マスオさん」状態で社長でありながら悪さばっかりしている甥のロジャーJRには手を焼いている始末!
しかしそれでも情報網を駆使して「学生時代の麻薬癖」「メキシコでの車泥棒」「ラスベガスで叔母のサインを偽造して50万ドル」などの悪行を暴き、認めないなら君の叔母に話して「身の破滅」に追い込むぞと脅迫に成功?
確かにロジャーJRは困った男だけど社長のデビッド叔父は会社を大手化学コングロマリットに「売却」して自分だけ「甘い汁を吸おう」とたくらむ強欲男なんだから人を非難するのもいかがなものか?(まあ金に関してはスタンフォード家の物だし税金公金の類ぢゃないから大目に?w)
ロジャーJRにして見れば「くだらん道楽」と言われたパーティーグッズだって上手く売ればかなりの稼ぎになるのに見る目がねえよと言いたい場面!(70年代初期はベトナム戦争の戦線収縮で会社は今までの軍需景気がぽしゃって経営が悪化していたのかな?)
それにしてもあれだけ陽気でとうていあんな用意周到な計画殺人なんてやれそうもない見かけなんだけど、恐るべき冷徹さで事にあたるのはさすがだ!(まさにサイコパスでまれに見る高IQじゃね?)
それにしても最高のクライマックス(オチは見てのお楽しみ)に「駆け足でたたみ掛ける」展開だったけど、どうしてコロンボはロジャーを犯人だと疑い始めたのかが未だにわからない!
叔母から「えり抜きの刑事さんを頼むって署長さんに頼んだ」というけど、まだ殺人というか事故なのかさえ不明な段階で殺人課のコロンボが来るかね?(まずは失踪人課の刑事でも向かわせないかね?)
それにしても現実でもドラマでも犯罪には「想定外」というのはよくあるけど、今作では自動車電話からの通話が録音されていたのだった!(もしもこの通話中で爆発が起これば殺人とわかってロジャーが「任意同行」を求められたのかな?)
その時にチラチラ腕時計を見る姿をコロンボに「クサいね?」と思われてしまい、先に運転手・クインシーの部屋から出て(タイプライターを盗んだ)来たのを目撃されたのと「足し算」されてイコール「唯一の容疑者」とされてしまうあたりが不運?
何せ用意周到(何度目?w)に叔父を筆頭の売却「賛成派」VSローガン副社長率いる「反対派」の対立を利用して、クインシーの「スパイ行為」さえ駆使して容疑は反対派に押し付け叔父&クインシー・コンビは文字通り「葬り」最終的には社長の座を奪い取ったんだからね?(ダーティー極まる彼はローガンと秘書のヴァレリー嬢も罠にはめて放逐しちゃうんだから!☠まあ「お友達」ローガン氏はのちに復権、ヴァレリー嬢には当面の援助で「埋め合わせ」とか?)
まあ現実的にはバックナー・クインシー両氏の死は化学薬品を使った「手製爆弾」と踏んで知識も技能も備えたロジャーに狙いを定めた訳だが、現実には反対派に爆弾を庭に投げ込まれたり脅迫電話も多数あってロジャー一人だけを疑うなんて無理かな?
そしてクライマックスのロープウェー内での息詰まる「対決」は見ものなんだが、決定的な証拠もなくサッカーで云うところの「コロンボのフリーキックが不発」でロジャーが尻尾をみせなければどうなった事やら?(詳細はDVDなどでご覧くださいませ!w)
個人的に点数を付けるとしても「100点は無理だけど、100点未満も無理」という感じかな?(笑)
vermilonswan1988.hatenablog.com
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