石持浅海(1966年生)の連作短編集だけど理屈抜きで面白い!(・∀・)(✿^‿^)( ꈍᴗꈍ)
主人公・富澤允(とみさわみつる、富澤たけしぢゃないよwww)は経営コンサルタント事務所経営のかたわら「650万円で殺人を請け負う」殺し屋をやっていると云う現実離れしたシチュエーションがまた凄い!
ちなみに富澤本人が直接依頼人と会うというゴルゴ13方式ではなく2人の「連絡係」を間に仲介させるという方式(?)なのだ。
要は依頼人→「伊勢殿」→塚原→富澤という流れで依頼人と殺し屋(富澤)はお互いの素性を知らない(知る事ができない)ので、恐喝や警察への通報の恐れはなくなるというメリット(?)がある!
ちなみに連絡係の塚原は富澤の同級生で区役所勤務っていう関係で、「伊勢殿」は歯科医(都心の1等地で営業)という設定だ。
更に殺し屋とは直接の利害関係こそないが助言(?)する立場の雪奈という女性漫画家も登場する。
依頼人は650万の内300万を前金として振込み、依頼を受けた時点で残金というシステムだ。
そして受けた時から2周間以内に決行されるが、もっと早く頃してほしいとかのオプションがあれば追加料金100万という事になる。
そこで富澤は頃してから(引受けない時もあるが)果たして依頼人は誰でどんな動機だったんだろうと推理するのがこれらの作品群ミソなのだ。
作品の内容は読んでからのお楽しみだが「同伴者」は連絡係の「伊勢殿」が主人公で「狙われた殺し屋」では富澤自身が頃されるかも(?)っていう状況に追い込まれる。
目次
・黒い水筒の女
・紙おむつを買う男
・同伴者
・優柔不断な依頼人
・吸血鬼が狙っている
・標的はどっち?
・狙われた殺し屋
とまあ駆け足で作品を紹介したけど、果たして主人公が何故タイーホされずに経営コンサルタント(ショボい中小零細企業相手だがw)をやっていられるんだろう!?
少なくとも日本のケーサツは依頼人と殺し屋との間に何人かが「仲介」役とし目をくらまそうとしてもそれを見抜く程度は朝飯前なほど優秀だ。
ましてや報酬の振込みに自分の口座で済ませる殺し屋なんてあり得ないと思うけど?!(ゴルゴ13はスイス銀行の匿名口座だとか)
被害者の身近というか親しい関係のある者が多額の金を振り込めば口座の名義人にはすぐ捜査の手が伸びると思うけどね!?(架空名義の口座なんて手に入るものぢゃないけど)
おまけに主人公の富澤は「標的について知ってしまうと感情移入するから知らないよのがベスト」みたいにのたまうが自ら刃物(銃器類はダメ)で心臓や頸動脈を刺して頃しておきながら何ら良心の呵責を覚えないなんて文字通り究極の「サイコパスのシリアルキラー」だなんて!?((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
しかも地方都市のサラリーマン家庭の出だとか!(いわゆる裏社会やヤクザが親でもないのに?)
早く続編などで富澤が殺し屋になったきっかけというか「プロセス」を知りたいと思う僕なのだ。