著者は1971年生まれで、10年あまり「フィールドワーク」と称し大隅半島地域の地場企業で働いて地域の実態をつぶさに体感して書いたのがこの本だが、我が北海道はそれほどヒドくはないがうなずける部分もあったと思う。
著者は鹿児島県東部の大隅半島地方で12年で8社で勤務し、その実態を自ら経験するというフィールドワークに勤しんだ経験の持ち主である。
結論から言うと「田舎町はブラック企業しかない」っていう状況で、都会に出たがる若者が普通だという訳だ。
地元に残った若者と都会(首都圏等)に出た若者へのインタビューも秀逸で、こんなに田舎町で働くのはまさに「地獄の沙汰」って気づくのだ。
「志布志の港湾事務所の女性事務員は朝9~18時のはずが24時までコキ使われた!親が激おこで抗議した結果定時で終わるようになった」とか
「40代男性だが鹿児島市内のスーパーで働くが毎日サービス残業で、有給休暇が義務付けられると有給休暇申請してその当日は出勤する」等いくら北海道がブラック企業だらけだと言ってもこんなにヒドくはないから僕も驚いた!
「田舎町は貧乏人だらけ?!」
また田舎町のいわゆる地場企業は売上も収益も少ないから満足な賃上げもできずどんどん都会に「人を取られる」のもむべなるかなだと思う。
それこそ初任給が定年まで続くような感じで、例え少しばかり昇給したところで責任と仕事量が増えるだけと表現した方が正しい!?(;´Д`)
よく正社員は高給で非正規よりもいい生活ができると宣伝されているが、地方(田舎町)の正社員が250マソに満たない低収入なのに首都圏では非正規が300マソ前後更に専門性の高い派遣社員ともなれば400マソもあり得るんだから大変だ!?
派遣社員と言っても地方都市(田舎町)では単なるアルバイトの最低賃金だが、都会(東名阪の三大都市圏)ならば2000円弱が最低時給ラインで年収350は堅いし、web等の特技などがあれば更に相場は上がり下手に正社員でサービス残業でコキ使われたりするよりもずっといい生活も可能だろう?!
「田舎ば不便で物価高!?」
インタビューに戻るが、都会(首都圏や県庁所在地など)に出ればそれほど理不尽な想いはせずに済むが、田舎町には「競争」というものが皆無でブラック企業も「ウチを辞めたら行くとこないよ!」っていうおごりのような意識があるのだろう!?
また田舎町は家賃など一部を除いて物価は都会よりも高く、鉄道等の交通機関も未発達なので「車を買う」しかなく維持費も家計を圧迫する。
ちなみに住民がお年寄りに至るまで車を運転するので通勤時間帯は「1本しかない県道」が都会さながらの交通渋滞になる田舎町も珍しくないっていうウワサだ。w
「田舎町には娯楽もプライバシーがない!?」
言うまでもなく田舎町は娯楽施設はなく(あったらゴメンw)近隣の都会に行くしかないが、結果としてTVになってそれが全てとなる。
年寄りに顕著だがTVに写ったものは全て正しく若者たちのようにwebなどには関心もない!
それから他人の噂話も数少ない娯楽(?)で、人口が少なく「住民同士の距離が近い」(笑)が故に自分から言わない出来事を近所の人達が先に知っているなんていう状況(悲劇?)も珍しくはない。
とりまこんな感じの本です!(後日続編も!?w)
とにかく読め!(©️浜田雅功)
https://vermilonswan1988.hatenablog.com/entry/2018/10/09/133952
https://vermilonswan1988.hatenablog.com/entry/2020/05/08/195720
https://vermilonswan1988.hatenablog.com/entry/2022/01/04/222454