推定で78人以上の死者を出したロンドン西部の「グレン・フェルタワー」Glen-Fell Towerで発生した火災は鎮火したけど、その現場を見ると何だか「バベルの塔」のようにも見える。(不謹慎極まる発言なので現地では言えないが、グレンフェルタワーだけに紅蓮の炎じゃあシャレにもならない大惨事なんだが)
まあ何というか裕福なケンジントン地区と隣接するハマースミス、アールズ・コートなどの中に1973年に建てられた低所得者向き高層団地だったわけだ。
とにかく格差の象徴みたいなアパートなんだが、サッチャー政権により「福祉が削られ」たから防火設備や避難器具が更新されなかったり近代化されずに、今回初めて火災で多数の死者を出したなんてことは先進国とは思えない。
とにかく誰が為政者であっても公営住宅の安全性は保障せねばならないから。
以前「イギリス人はおかしい」(高尾慶子著)では、紳士と言われる英国人のデタラメ、無知無教養ぶりが書かれていたけど、件の高層住宅に関してもそれが色濃く反映されていたわけだ。
消防点検や消火器の整備や更新はもとより避難訓練もなく、消防当局も無関心であったのだろうか?(2009年以来消防点検が行われていなかったらしい?)
こうなったのはサッチャー政権下で福祉や住宅関係の予算が削られたから?
さて振り返れば我が国(日本)はどうであろうか?
まあさすがにあんな大惨事にはならないであろうが、いわゆるタワーマンションと庶民向け(低所得者向け?)高層団地は厳然と区別されてはいるが、防火基準はまったく同じはずだ。
もしもの話だが日本でこの手の大惨事が起きるとすれば「高層団地」が先になるだろうが、タワーマンションも後の時代には同じような惨事に見まわれるはずだ。
なぜならばタワーマンションは建て替えができないからだ。
もちろん技術的には十分可能なんだが、地権者や利害関係者が多すぎて調整が効かないからであり、そこが商業ビルや公営団地との差なのだ。(公営団地は自治体が断固として決断すればいいのだから)
かくしてタワーマンションは老朽化が進み、消防設備も劣化して惨事を拡大する結果となるのだろうか?(安易にタワーマンションなんか買うもんじゃないね?)
vermilonswan1988.hatenablog.com
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